「そうね…悠様は、ご自分で認めた方としか付き合わないと、私たちの位の中では有名なの。
けど、私には関係ないわ。白鳥は提携も話に入れてる。提携したら、共に大万歳よ」



月とスッポン。

私は城下の人間。

ただ高い塀に囲まれて、殿を父に持ち、苦労なしにすくすく育った姫李にも勝てないんだ。

姫李が教室を出ようとする中、私は反対の扉から教室を飛び出した。

泣かない。

そう、自己暗示を掛けながら、階段を登り、屋上を目指した。

広い空の下。



「悠ぁぁーッ!!!!」



私の叫び声は、目の前に見える高速を通ったトラックなどの騒音に、消されていた。