「“粕谷”って、あのコンビニの子が言ってたヤツ?」



「はい。付き合えるみたいです」



メールをちゃんと見せると、悠さんは「良かったな」と、遠くを見ながら答えた。

きっと、光の顔を思い出してるんだろう。

繋がれたままの手を見ると、綺麗な指が、月明かりとカーナビの明るさで照らされた。



「綺麗な指」



「俺に欠点はない」



「掃除。出来ないじゃないですか!(笑)」



私は掃除が好きだから良かったけど。

ネイルをしてるお客さんを彼女にしてたら、あの汚ない部屋には上げられなかったと思う。