「コレ。預かっとけ」



悠さんは私に、車のキーを渡して来た。

仕事後の時間、私にくれるみたいで、笑顔で受け取った。



「待っててな」



「はい!」



ニヤけるしかない。

翔さんに「ゲンキンな子だねー」と、笑われてしまった。

今なら、何を言われても許せる位、心が幸せに包まれた。



「蘭、寝ちゃいましたね」



「守を呼ぶしかないな」



「可哀想ですね(笑)」



「心がこもってないよ?(笑)」



私はあたりめを。

翔さんはチーズ片手に笑い合った。

悠さんの車のキーが、ワンピースの裾で輝いて見えた。

このまま、返したくない位に。