唇を噛み、口を頑なに閉じる私を、ナズナさんは赤く塗られた口角を高く上げ、白い歯を見せた。

…何?

けど、せっかくの白い歯に何かを見付けた。

食い入るように見てから、「アーモンド?」と、呟いた。

アーモンドは薄皮が付いてたし、仕方ないけど。



「……何かしら?」



「いえ…」



私は突っ込んではいけない気がして、目を逸らした。

ナズナさんは「悠と今晩、良いかしら」と言う。

翔さんが「アフターはちょっと;;」と言って立ち上がるも、ナズナさんの顔を見て、首を傾げた。

…気付くよね。

結構、大きいし。