「本気で誰かを愛せないまま、皆様にホストとして夢を与えるような事が出来るか悩んだ日もありました。
でも、彼女と出会い…夢を与えるどころか、この人だけを見続けたいと思いました。
こんな理由で引退というのは、身勝手だとは承知の上。ですが、ご理解を少しでもして貰えたら、幸いだと思います」



私は唇を噛み締めながら、悠さんを見つめた。

翔さんが「兄貴の言った意味わかる?」と、訊いて来て、口を開く。



「全く…」



「どこまで恋と自分に鈍感?(笑)
兄貴は海ちゃんと結婚を考えてるんだよ!」



…う;;

嘘だー!;;

私は翔さんに、「またまたー!;;」と、頬を引きつらせながら笑った。