ボーッとしてると、蘭に肩を叩かれた。



「呼んでる」



そう言われて、悠さんを見ると、翔さんと手招きしてる。

…私?

自分を指差すと、2人して頷く。

ステージに行くと、立ち上がってるお客さんの中には、ナズナさんが驚いた様子で私を見ていた。

悠さんの一歩、後ろに立つ。

エアコンの風によって、運ばれて来る香り。

私の買った香水の香りで、隣の翔さんを見る。



「もう、開けたんですか?」



「何の話?俺、何か貰ったっけー?(笑)」



翔さんはニヤニヤと笑い、腕を私の顔の前に上げた。