「サンキューな」



渡された紅茶を受け取り、やっと一息。



「楽しかったから大丈夫です。
私、こんなに散らかした事ないんで(笑)」



「厭味か」



「仕返しです。私を不安にさせるんですから」



悠さんの肩に凭れ、グラスの中にある氷をカランと鳴らす。

目だけでも涼しくなった。



「私…ホストって仕事を、理解してるようで出来てなくて、勝手に寂しくなったりもしました。
でも、悠さんの貴重な甘い笑顔を見ると、やっぱりカッコいいなぁ、って、思いました」



「俺が悪かったんだ。海と初めて会った日、久しぶりにフロアに出て、働きたくなったし」



頭を撫でられ、額をくっ付けられた。