「じゃあ、」 「うんっ」 最寄駅まで送ってくれた綾くんは、やっぱり根は優しい人だと思った。 ホームに戻って行く綾くんの背中を見ながらそう思った。 そして、あたしの顔は引き締まることを知らない。 手に握られている携帯には今さっき登録したばかりの綾くんのアドレスと電話番号が入っている。 このあたしが、ずっと片思いだと思っていたのに綾くんの彼女になれた。 そんな事を純粋に喜んで浮かれていた高校3年生の春―――――