ただ外の景色を眺めるだけの私。



「……樹里菜と……いつかまた海に行けるかな……」



しばらくして、とても穏やかで優しいイサムの声がした。



どうしてそんなに優しいの……。



あなたはどこまでもこんな私を求めてくれる。



「僕は……待ってるから……」



それなのに、まるで逃げるように車から降りる私。



イサムは私の言葉を待っているかのように、私を見つめてくる。