【短編】Birthday * kiss








「あ、ごめん。大丈夫だった?」





なんとかしてたどり着いた康介くんちの玄関。


肩でハァハァ息をしている私を心配してくれてるみたい。



・・・ところで、なぜ康介くんちに?


前髪から、雨と思われる雫が落ちてきた。





「・・・つ・・かれたぁ・・・」





私がそう呟くと、


康介くんは私の頭に手を置いて、私の背中をもう片方の腕で引き寄せた。





「わ、わ・・・///雨でぬれちゃうよ」


「美波が風邪ひかないか心配で・・・、ほんとごめんね・・・」


「や、そんなこと・・・」






外の雲のせいで、薄暗い康介くん家の玄関。


心配されて顔が赤いのがバレなくてよかったけど。


冷たかった体がどんどん温まっていくのは


きっと康介くんのせい。






「・・・っくしっ!」


「・・・大丈夫? 寒いか?」


「ん・・・ヘーキ」


「平気じゃねぇだろ(笑)とりあえず、風呂貸す」


「えっ!?い、いいよ!これ以上、康介くんに迷惑かけられない」


「いいから!」






いつもよりキツく言われた言葉に、黙って頷くしかなかった。


・・・今日はとことんツいてない日。


だけど、ちょっと嬉しい気持ちになれた。