【短編】Birthday * kiss










帰り際。


まとめた荷物を持って、のそのそと教室を出る。


私の心は、外の雨雲みたいに真っ暗だ。





「あ、美波-♪」





そう言って駆け寄ってきた友梨の隣には、髪を盛ったいかにも俺様な彼氏くん。


・・・やっぱり私には理解できないかも。





「決まったの、プレゼント」


「や・・・これから寄り道しようかな、と」


「そう!頑張ってね♪」





そんな能天気な友梨にガッカリしながらも、あいさつした。


くぅ・・・ 薄情者め!



外に出ると、何やら鼻にポツン、と冷たいものが当たった。





「・・・嘘っ、雨!?」





空を見上げると、さっきよりも一層、黒い雲が濃くなっていた。




うーん・・・傘、どうしよう?


私が判断に迷っている間にも、雨は強さを増す。



そんなときだった。






「・・・美波?」





私が振り返るとそこには、荷物を肩にかけ直している康介くんの姿があった。





「康介くん・・・」


「何してんの?こんなとこに突っ立ってたら、風邪ひいちゃうよ?」





私を心配してくれる優しい声が、なんだか心に刺さる。





「いや・・・傘、なくてさ・・・」


「傘・・・?あっ、じゃあ俺の入ってく?」


「えっ、でも・・・」





私が返事にとまどっていると、


康介くんは、スッと自分の傘を差し出した。





「一緒に入ろう?」


「で、でも・・・康介くん濡れちゃうよ」


「いーの。俺がしたいんだから(笑)」





悪いなぁ、なんて思いながらも、


康介くんは半ば強引に私の手をひいて歩き始めた。