自分の席から見える、康介くんの机。
いつも先生の話なんてそっちのけで、真剣な康介くんの横顔を見るのが、
授業中の唯一の楽しみ。
だから今日は、ちょっとつまらない。
・・・しいて言うなら、雨のせいで体育が中になったことくらいしか、嬉しさを感じなかった。←
「・・・・ほれっ」
「え、なに?」
放課後になって突然、友梨が大量のプリントを私に渡した。
これって・・・、今日の英語の課題。
「康介くんの。渡せ、って先生に言われてさー」
「え、友梨が頼まれたんじゃないの?友梨が届けに行けば?」
「は、何言ってんの? んなめんどくさい事してられないよ」
「め、めんどくさいって・・・」
そういえば友梨、めんどくさがりだっけ。
しばらく英語の課題を見つめて、ファイルにしまった。
・・・うん。服を渡して、服のお礼も兼ねて。
お見舞い、行こう。
「・・・に、しても」
「?」
「あんたたち、見かけによらずよくやるわね」
「え、何が・・・?」
クスクスと笑う友梨に、
何か分からなくて首を傾げる。
「それ。・・・風邪ひかせたの、美波なんじゃない?」
そう言って、服の入った袋を指さして、意味ありげにまた笑う。
「えっ、なんで知ってんのっ!?」
「ふふ、何故でしょう(笑)?」
「・・・私、謝った方がいいよね」
確かに私、風邪ひかせたのは確か。
"いいんじゃない、別に(笑)"
そう笑いながら言う友梨はやっぱり理解できなくて。
雨が降る前に、足早に学校を出た。

