「は、はあ?」
「どうかしたー?」
「だって一人種目って2つ以上なんじゃ」
「えー、だってかおりん3つ出るしー、ほら
足したら4になるよー!」
そういって四本の指を立てて
喜ぶ郁。
悪気がなさすぎて
怒る気にもなれなかった
「そんなのありなんだ。そっかあ…あはは」
「だって~、かおりん間違えて郁の分のじゃんけんして
負けてくれちゃうしっ」
語尾に星マークが付きそうな勢いでウインクをする郁。
怒るもなにも、私のミスですか。そうですか。
「なーに盛り上がってんだー?」
すると後ろから声が聞こえた。
ちょっとかすれて、太い
男の人の声。
「あ、広瀬ーっ!」