「なあなあ京介~。
藤原さん、可愛くね?」
隣の席の柳瀬が小声で耳打ちをしてきた。
クラスはLHRで委員会決めしている真っ最中。
広瀬の困った顔がここからでもよく見える。
「藤原さん?
別に、普通じゃん」
「はあ?
お前はいっつも西村といるから、目が麻痺してんだって。
高橋も言ってんぞ」
「へえ。
で、なに」
「いや、彼氏いんのかなーって思ってさー。
ほら、京介この前話してたろ!
なんだよ、いつ仲良くなったんだよー」
「いや別に仲良くないし、むしろ悪いと思うけどね。
まあ頑張って」
「うっわ冷たっ!!
いいよわかったよ…あとでメアド聞くか…」
柳瀬とは中学からの付き合いだから、冷たくしても慣れているらしい。
だから、柳瀬との会話は楽だ。
そこら辺の女子に比べたら。