「あ、ごめ。ちょっと今日は用事あるんだよね」
本当は用事なんてないけれど、ただめんどくさいだけ。
そういえば私は、申し訳なさそうな表情をするのも得意。
「まじかー。」
この後の沈黙が、とてつもなく嫌いだ。
でもお互いになにか話題を出そうとはしない。
だってちっぽけなプライドがあるから
それだけは譲れないのだ。
自分が相手のために
下手にでるようなことなんてしたくないから。
それに関しては気が合うとは思うんだけどね。
「あ~…じゃああたし帰るわ。ごめんね」
「あ、うん。ばいばーい」
最後の挨拶の時だけやけに
笑顔になるのは、誰かが自分を見ているかもしれないから。
私は友達思いで
いつも笑っているんです
なんていうふざけたアピール。
誰もあんたのことなんて見てねえよ、って言ってあげたいくらい。
誤解されそうだけど、私は秋穂のことは嫌いなわけじゃない。
でも好きでもないということ。
わかってる
私、性格悪いんだ。