「あ、りがとう…っ」
「もー、泣かないでよ。
こっちまで泣きそうになってきた」
恥ずかしそうにしながらも涙を拭う郁の姿
それは弱さも持ってる、
本当の郁なのかもしれないと思った
「でもかおりん、郁が言いたいことの2つ目って、あのね、」
「うん…?」
「郁はやっぱり、かおりんが本当に好きな人って、
大事なひとって、キョンとしか思えない、よ…?」
「な、なに言ってんの?
そんなわけ…」
「かおりん、もしもほんとの気持ちに気付いてて
郁に遠慮なんかしてるなら、絶対ダメだから
ほんとは言うつもりなかったけど、
でもやっぱり、キョンと話してるときのかおりんは
すごく楽しそうだもん、だから…」
「…でも」
「遠慮とかしてるなら、ほんとにいらない!
郁がキョンのことを好きだって気持ちはほんとだよ?
でもね、郁もちゃんとキョンに言ったから、だから郁だってもう終わっちゃったの
郁だってキョンに幸せになってほしいって思ってる
だから、もしもかおりんが自分の
気持ちに気付いてるなら
キョンの気持ちに応えてあげて…!」
「そんなこと……」
「簡単じゃないことくらいわかってる、郁だって
アキの気持ちに今すぐには応えられない
でも、いつかはきっと
アキのことを心から大切に思えるって信じてる
アキが今まで郁にくれた分だけの思いを、郁がアキにあげられるって信じてる
郁は、遠慮しない。
遠慮なんかしてたら、誰も幸せになんかなれない」

