不器用な君と不機嫌な私


「おい西村ー!
どうしちゃったんだよお前!」


「あのねー、郁、体壊しちゃったの!」


「壊しちゃったの!って…大丈夫なのかよ…」


「ヤナくんはほんっとに心配性だなーっ、大丈夫大丈夫っ」


教室に戻ると、


郁はもうこのクラスに溶け込んでいた。


やっぱりまだ、理解できない。


なんでみんな、そんなに早く


受け入れられるの?


「藤原さん、」


「あ、仲本…」



「…なんか、知ってる?」


「多分、昨日

先生となにかあったんだと思う。

でも、やっぱりわかんない、なんで?

なにがあったの?」



「ねえねえ2人ともーっ!

一緒に話そうよーっ」


郁が手を振ってこっちを見てる。


一体なにがあったっていうの。



そのとき、私は

郁の左腕につけられた

リストバンドに目が行った。