不器用な君と不機嫌な私


その日はこれから二年間、クラス替えがない分、

どんなスケジュールで受験まで過ごしていくのかだとか

行事について、とか。


ただの説明だけで終わった。


二年目なんだから、そんな説明去年嫌というほど聞いたから
どうでもよかった。


多分、広瀬先生もそうだったんだろう。


露骨にめんどくさそうに話していたから。


あたしは、広瀬先生の話を聞くことよりも


さっきの言い合いが
夢だったんじゃないか、
と思ってしまうほど信じられなくて、ただただ西村郁の背中を見ていた。



だって、この私が他人に
あそこまで言うなんて


今までなかったんだ。


「っつーことで今日は終わり。
明日から授業だからなー。

ちゃんと教科書とか持ってこいよー。

じゃ、日直!号令頼む!」


そうして短い一日が終わる。


終わってしまっていいのだろうか。


どうしようもなく、
西村郁のことが気がかりで

仕方がなかった。