不器用な君と不機嫌な私



なんなのよ


なんで私今説教されてんの?


ほら、みんなこっち見てるじゃん

もう、最悪だ。


思い切り息を吸い込んで、私も反撃をすることに決めた。


というよりも自然と口が開いていた。


「黙って聞いてりゃなんなのよ!!

なんで私が説教されてるわけ?

人がどんな格好しようと勝手でしょ。

だいたいかおりんってなに!!

そんな風に呼ばれる覚えこれっぽっちもないし、
それに人を中学生呼ばわりすんな!!」


一気に吸い込んだ空気を吐き出したんだと思う。


少し息が切れていた。


これだけ言ったんだ。
少しは西村郁だって理解するはず。
自分どれだけわけのわかんないやつなのかってこと。



でもそれはとんだ私の勘違いだった。

西村郁には、全く効き目がなかったのだ。

そう、西村郁は言った。


「あ、郁。かおりんのその表情好きかもっ」


と。