不器用な君と不機嫌な私


「……はい」


郁の声がスピーカー越しに聞こえて、それだけで

私は目頭が熱くなった。


一体私は

なにを心配しているの?


大丈夫、大丈夫


そうやって心のなかで何度も言い聞かせる。




「京介だけど」



「…キョン…?」



そして、軋む音を立てながら





ドアが、開いた。