お母さんが新しく買ってくれた浴衣は
白地に紺の花が散りばめられていた。
去年着ていたやつと、正反対の色合い。
私が紺色が好きなこと、知ってるんだ。
「わ、なんか結婚式に着るやつみたい」
「なーに言ってんのよ、全然違うでしょ。」
「だって白いし」
「こんなの若いうちしか着れないんだから、今のうちに着ておきなさいよー」
帯まで新しく揃えてくれたんだ。
嬉しくて、頬が緩む。
「お母さん、ありがと」
「いいのいいの、じゃあ明日楽しんでらっしゃい」
こんなふうに親と話すのなんて
当たり前だとおもってたんだ。