不器用な君と不機嫌な私



「……郁…お前またなにも食べてないだろ」


ほらね、またおせっかい



いちいちうるさい。


「…食べてないんじゃなくて


食べる時間ないの…!!!」

郁って頭悪いね


叫ぶことしかできないなんて。


「あ…

ごめんな郁。疲れてるのかもな

座ってていいから、何か作るよ」


「いらない、

なんにもいらない…!!

もう疲れた、もうやだ!!

なにも食べたくないの!!」


「郁、でもそしたら」


「死んじゃう?」


「違う、それは俺がさせない」


なんでアキは


郁にかまうの。



「…郁……」


キッチンに立つアキがため息をついた。

「次こういうことがあったら
すぐ俺のこと呼んでいいから。

な?」

割れた食器を、


黙って拾い上げるアキ。


いいのに、そんなの


放っておけばいいのに。


アキも傷つけばいい


「出てって」