そう言って指さしたのは
雑誌の中にうつる一人のモデル。
人差し指を唇に当てて
物欲しげな表情をしていた。
っていうかこの顔なんか
見覚えあるんだけど。
「え、……これ郁!?」
「もーっ!!ヤナくんのバカーっ!!
そうだよ、郁だよ~…
この郁可愛くないから嫌いーっ!!
もっといい写りのあるもん!」
さりげなく認めたけど
私は呆然としていた
いまいち意味がわからなくて
「わっかんねえよ!
いい写りとか言われてもさあ!」
「別にヤナくんに
わかって欲しいとは思ってないけどね~っだ!
あれ、かおりん?」