「…え?」
「何かあるとは言い切れないけど、
一応、ね。」
「あ、でももうそんなバカなことするような歳でもないし…多分…」
「まあ、心配するに越したことはないってこと。」
「うん、でもさ、
心配してくれてたってこと?」
「え?いや、別に
まあ、いいじゃん
召集かかってるよ」
そう言って立ち去ろうとするから
ポロシャツの裾を思わずつかんでいた。
「な、に」
「ありがと。
じゃあね」
なんでか笑えてきた
仲本って、お父さんみたい。
口には出さないけど、っていうやつだったり。
きっと将来、不器用な無口なお父さんになるんだろうな
なんておかしな想像をして
召集場所まで向かったけれど
やっぱりなんだかおかしくなって
少しだけ笑ってしまった