ありがとう


自分のせいで2度も死ぬのを邪魔されたということを聞いた。

彼女の両親と姉が、2か月前に津波で亡くなったことも聞いた。

唯一生き残った彼女が親戚の家で世話になっていて、辛くあたられていることも知った。

彼女には何の苦もなく、良い家族に囲まれ、何不自由なく恵まれた生活をしているのだと勝手に思い込んでいた。

彼は、どんなに素晴らしい人間であっても必ず心に闇の部分を持ち合わせているのだと知った。