薄暗くなりはじめた空の下、5匹の魚の火に揺られながら漂わせる煙が、飢えていた彼の食欲をますます掻き立てた。 頃合いに一本引き抜くと、そっと女に差し出す。 女はありがとうとだけ言い、こちらを窺う。 「先にどうぞ」 そう彼が言うと同時にコクりと頷き小さな口でかぶりつく。 彼は火に照らされる彼女の横顔を見ながら、もう一本を引き抜いた。