女は何かを深く聞いてくるわけでもなく、夢中で川を見つめていた。 言い方を悪くすれば、彼に対して無関心なのかもしれない。 しかし、それこそが今の彼を安心させた。 人が苦手とはいえ、関わりが全くといってよいほど無かった彼にとっては、僅かでも楽しい時間であったのだ。