ありがとう


「何もって、それ。1人でキャンプ?」

案の定だ。

「あ、ああ。まあ、1人旅みたいな…ね。」

壮大な家出とはとてもじゃないが言えるわけない。

「へー!1人旅かー!いいなあ…。」

疑っている様子もなく、本心から羨ましがっているようだった。

彼はホッと胸を撫で下ろした。