ありがとう


「すみません」
僕はつい謝ってしまった。あのまま楽になれたら…というのが本音だったのだが。

「いいよ。お兄さんみたいなのわりといるからよ。まぁお兄さんほど若いのは初めてだけどな。」
伸びきった髭を上から下に撫でながら言った。

「あの僕は…」
そう言いかけて遮られた。

「家出とかだろ?どうせそんなもんだ。何も聞かねえよ。暫く俺んとこいろよ。死なないようには面倒見てやる」

「はあ。すみません」
行く宛もなく、行きたいところも気力もない。
全てに疲れていた。
僕はとりあえず厄介になることにした。