川に近づいた木陰で清涼飲料水を飲みながら黙々と食べていると、反対の岸で無邪気に駆け回る3、4歳であろう男の子と、それを微笑みながら早足で追う父親らしき人物が見えた。 「あの頃は…きっと自分達の家庭も幸せに見えたのだろうな」 親不知に挟まった米粒を舌で押し出しながら、小学4年生のときに家族で行った北海道のことを思い出していた。