勇気を出して口を開く。 「さっき美咲の家、見てきたんだけど…」 彼はそっぽを向きながらボソボソと言葉にした。 「私も、上からだけど見たよ。酷い…状況ね」 相当複雑なのだろう。眉間に少しだけシワが寄っていた。 出会ってからはじめて見る表情だった。 いくら嫌な思いをさせられていたとはいえ、毎日住んでいた場所が突然なくなるというのは相当ショックなのだろう。