ありがとう


「そうなんですか。でもまぁ、全員無傷で助かったから良かったですよね。家は辛いですが、命より大切なものなんてありませんからね」

男性の、まるで美咲が存在していないかのような話しぶりに少し疑問を感じていたが、公式な手続きをしておらず親戚が美咲の存在を黙っているために、知られていないのだろうとある程度は予測できた。

それが悔しさと悲しさを入り交じえ、心の中にモヤモヤした何かを作り上げた。