ありがとう


「私、まだ生きててみる」弱々しくも、どこか強く感じさせる言葉だった。

その一言だけで、彼の心に居座り続けた大半の不安はいなくなっていた。

それと同時に、彼の深みには触れない美咲の優しさを感じていた。