ありがとう


暫く沈黙が続き、そこで美咲の話は終わった。

小さな雫が頬に一本の道を作っていた。

「それは…僕もだ」
やっと浮かんだ言葉を口にする。

「僕も、大したことじゃないけど色々あって…でも美咲と会えて少しだけ生きる意味を感じた気がする。

うまくは言えないけど、確かに幸せだって感じた…」

それだけ口にして黙りこくってしまった。

何もかもが半端な自分は全てにおいて説得する力などない。

そんなことは分かりきっていた。

しかしそれでも、美咲には生きろと言いたかった。