ありがとう


ああそうだったのか…と彼は心の中で自分を戒めた。
例え、偶然ながら命を助けたとしても、本人が望んでいたことを何も知らない他人が邪魔をしてしまったのだ。

彼女にとっては、散々悩み抜いた挙げ句に下した決断だったはずだ。

それなのに…と彼は自分の胸に手をあて爪を立て力を込めた。

苦しかった。