『なぁ西城は好きなヤツとかいるの??』


先生はお皿を洗っていた手を止めて私の目を見る。



目を見られるとウソつけなくなるでしょ?


先生のばかっ!!

と、心の中で先生に叫ぶ。


「いるよ…好きな人…。」


なんて正直に答える私。


『へぇ~』


先生の反応は薄い。



「せんせーはいないの?

好きな人……??」


勝手に動く口。


最近私の口はよく動く。


しかも…勝手に…。



『俺か??俺もいるよ……。』



「元…カノ??」


また勝手に口が動いた。



『違うって…。


元カノのことなんか引きずってねぇよ。』


先生はお皿を食器棚に片づけている。