『ん?なんか言いたそうな顔してるな。』


お兄ちゃんは私の顔を覗き込む。



「別になんでもないよ。」


と、言って私はノートに向き合う。



そこへ


【ピーンポーン】


インターホンが鳴った。



「はい、はーい」


私は急いで玄関へ向かう。



「どちら様ですか??」



『俺!俺だよ!!』



俺…?ってその声は……



「………隼人?!」



『よっ!姉貴!!

ちょー久しぶりじゃん!』



西城隼人(サイジョウ ハヤト)


中学3年で私の弟。



隼人と会うのは3年ぶりくらい。

私が家を出たのが高校に入学する少し前。

それから一度も家に帰ってない。



あんな居心地の悪い家になんかいたくないよ…。