5歳年上の兄


西城浩介(サイジョウ コウスケ)


私にとっては格好良くて自慢の兄。


だけど両親とは歯車が合わないようで毎日ケンカばかりしていた。


ある日。

私の部屋にお兄ちゃんが入ってきて言ったんだ。


『零、ちょっと行ってくる。』


って。


どこか近所のコンビニに行くような感覚で言った。


だからすぐに帰ってくると思っていた。

でも、それは違ったんだ。



何日待ってもお兄ちゃんは帰ってこなくて…


お母さんに聞いても、

お父さんに聞いても、

誰もお兄ちゃんのことを教えてくれなかった。



そして今日、久しぶりの再会。


『久しぶりに帰ってきたんだ。


で、親のところ行くのも気が引けるから零のところ来た。』



「なんで私の家知ってるの?」



『ここに来る前に大和の家行って聞いてきた。』


ちょっと大和さん…??


人の家を簡単に教えるとは何事ですか??



『それにしても大和


かなり大人っぽくなってたなぁ~


俺が最後に見たのは小学生だったしな。


もう高3か………』


私の幼なじみの大和はお兄ちゃんとも親しい。