私は窓の外を眺めたまま動かなかった。



そうすると誰かに頭を叩かれた。


「いでっ」


私を叩いた人を睨みつける。



「………………?!?!」



そこにいたのは、


「…………先生。」



『なんでそんな驚いてんだよ?


お前のクラスの副担だぞ??

ってか伊藤先生の話ちゃんと聞いとけよ。』


そのまま私の後ろに立つ先生。



先生、やめてよ……。



神経が背中に集中する。


感じるんだよ、先生の気配を…。


どうしようもないくらいに心臓は音をたてるし、

伊藤ちゃんの話なんか聞けないよ。



ふと前を見ると大和と目が合った。



大和はニヤニヤしながら


『チャーンスッ!』

と、口を動かした。



や、大和……。



何がどうチャンスなの?!




ちらっと先生を見ると、

先生は手に持っていたノートで口元を隠しながら眠そうに欠伸をしていた。



そんな先生の姿もすごく愛しくて、


どうしようもなく好きだと感じた。




この気持ちはどうすればいいんですか…?