「亜美菜!空君迎えに来てるよ!」 キッチンからママの声が聞こえる。 「分かってるって!うるさいなぁ!」 ―8時10分 あたしは自慢の髪を、耳の上で二つに結び スクールバックをとると急いで家を出た。 「ごめん!」 玄関の前で待っていた空に謝る。 毎日、空は8時に迎えに来てくれる。 あたしの家まで遠いのに、わざわざ。 「いいよ。行こっ。遅刻するよ!」 空は優しく笑うとあたしの手を取り歩き始めた