噂をすればほら、廊下の曲がり角から・・・


って、おっと・・・





「!!あっ、あの ごめんなさいですっ!!」





170センチもの長身を縮こませて



手を所在無さげにうろうろさせ白い頬を赤くし謝る彼女。




高明高校のAAA級の有名人



小路 巴(しょうろ ともえ)だ。





短めの黒髪・黒目で


普通より小さめの顔はどこにでもいそうな至って平凡なつくりである。




誰かから追われているのか困ったように眉を八の字にへにゃっとさせて、


あたりをきょろきょろと見渡している。


動くたびにぴょこぴょこと揺れる旋毛周辺の毛が彼女をより小動物のようにみせる。





しばらくするとちょうど彼女が走ってきた方向から足音が聞こえてきた。




「きっ、来たっ・・・!」




それにいち早く気づいた彼女は目を大きく見開いてまた走り出した。