「調理実習で作ったやつ!!


ゆーせんぱいにあげようと思って!


さっき思い出したのー。」




キラキラとした目を港に向けてさらに目の前につきだす。



港はパチパチと数回瞬きしたあと、


フッと破顔した。




コロにも負けず劣らずその笑顔は強力で、殺傷能力が非常に高い。


ワイルド美形が目じりを優しく下げ、


嬉しそうに笑うその様子、


いわゆるギャップにやられてしまうようである。





彼らの近くにいた数人の女子生徒が鼻から赤い液体を流し倒れて保健室に運ばれていった。





港の本気の笑顔、恐るべしである。





「ありがとな、コロ。嬉しい。」




わしゃわしゃと頭を撫でるとコロは嬉しそうに目を細める。



そしていきなりくるっと向きを変えてもう一つ持っていたカップケーキを前に出す。








「え・・・。」



「先輩、食べたかったんですよね?


よかったらどうぞ、です。」



どうやら間宮にあげようとしたらしい。


間宮はキョトンとしてコロとカップケーキを交互に見る。