まだ寝てなかったんだ… 「はい!」 あたしの笑顔は、とびっきりの笑顔だったに違いない。 「そっか。良かったね」 「はいっ」 ねぇ先輩…寝てなかったのって…もしかしてあたしを待っててくれていたんですか…? 自惚れでもいい、今はそう思いたかった。 嬉しいことがあったから。 それを先輩が笑顔で受け止めてくれたから。 すごくすごく嬉しくて。 あたしは先輩の顔を見つめて思った。 それがつい言葉に出てしまった。 「先輩…手、繋いでくれませんか…?」 言い終わって、はっと気づく。