何か、拍子抜け……。
美人な癖に、滅茶苦茶馬鹿とか……。

有り得ねぇ……。

まぁ、俺には関係ねぇけど。


「……い!……おいっ!……波!……海波蓮!!」

「……は…?」

「『は…?』じゃねぇ-よ。黒板の問題やれって、言ってんだろ!!」

「あ~~、ハイハイ」


やべ……。上の空だった。滝川の授業、つまんねぇ-んだよな~~ぁ。

そんなことを思いながら、席を立ち黒板の問題を見る。

滝川は、数学教師だ。

そして、俺は数学が大の得意。

まぁ、全般的に得意だけど、俺は理系だ。

だから、理系の授業は、俺にとって物凄く退屈で、つまんない。

そういう訳で、俺は今証明問題を解いている。


「滝川、出来た……」

「おっ!海波。お前やりゃ~ぁ、出来んじゃねぇ-か」

『お~~!海波、さっすが学年4位♪』

「…………。」


笑顔で俺の背中を叩く、滝川。

クラスメイトからの視線と称賛の声。

痛ぇ……。


「おっし!海波、席つけ!」


キ-ン コ-ン カ-ン コ-ン


授業、終了のチャイムがなった。


「よ-し。今日は、ここまで!次までに、予習復習、しっかりやっとけよ~~♪」


そう言うと、滝川は颯爽と教室を出て言った。