「紺野!!」


炎の中に飛び込むと、紺野は意識を手放しかけていた。

なんか倒れそうだ……と、その時―――


フラッ……


紺野の身体が傾いた。

俺は、咄嗟に手を伸ばして紺野の腕を掴んだ。


「紺野!大丈夫か?」


虚ろな目で俺を見た。


「紺野?」


反応が無い……
少し、心配になってきたって、こんな事している場合ではない!

紺野を連れて、炎の中から脱出しようと思ったら、高島の声がした。


「海波!紺野!無事か!?」

「高島!紺野が気絶した」

「何!?もう少し待て、今用務員が消火器を持って来るから!!」

「は!?……んなの待ってられっか。紺野は多分煙を吸った。待っていたら、どうなるか分からない」


そう言いながら、紺野を抱えた。