「おい、黒澤……」


気が付いた時には、もう手遅れだった。


「何だ……?」


周りからの視線が痛い。

そりゃそうだ。
俺は普段、何事にも無頓着だから、教師と生徒の話に、口を挟むことなど無い。

だが、挟んでしまったものは仕方がない。

何か、言わなくてはならない。


「……眠い………」

『……はぁ!?』


案の定の反応だ。

黒澤だけではなく、クラスメイトや他クラスの奴等までもが、反応した。

ただ、咄嗟に思いついたことを言っただけだったのに……。

何故か俺の口は止まらなかった。