初恋の行方〜謎の転校生〜

「“見た”って、何を?」


「転校生の二人を……」


「えーっ、いつ、どこで?」


私は、昨日の放課後に見た二人の事を理恵に話した。


「ふーん、きっとその二人だね? ところで、放課後と言えばさ……」


と理恵が言ったところで、ガラガラと音がして、教室の扉が開くと担任の先生が教室に入って来た。それを見て、


「続きは後でね?」


と理恵は言い、急いで自分の席に戻って行った。


「あ、うん……」


と言い、私はすぐに理恵から先生の方へと視線を移した。


もし昨日の男女が転校生の二人だとすると、後ろ姿が悠人君に似ていた男子の顔をこれから見る事になる。


私は固唾を呑んで教室の入口を見詰めた。