騒然としながらも、席をずらす作業を始めた隣の列の人達を呆然と見ていたら、


「びっくりだね?」


と、理恵が私の肩に手を置いて言った。


「うん、びっくりした……」


「同時に二人の転校生とか、しかもこんな中途半端な時期にって、普通は有り得ないよね?」


「だよね……」


春ならまだしも、今はちょうど学年半ばの秋だ。理恵が言う通り、編入するにはひどく中途半端な時期だと思う。しかも二人だなんて……


「美咲の隣に座る男子って、どんな子だろうね?」


「そうだね……」


と言いながら、私は昨日の放課後に見た、後ろ姿の男女を思い出し、思わず「あっ」と声を漏らした。


「ん? どうしたの?」


「私……見たかもしれない」