「おい、大丈夫か?」
柏木君は私に近付くとそう言った。逆光で彼がどんな表情なのかは分からないけど、優しい声に聞こえた。
私がコクッと頷くと、彼は腰を屈めて私の腕を持ち、「立てるか?」と聞いた。
私は立ち上がろうとしたのだけど、腰にも足にも力が入らなかった。
すると柏木君は私の腕を引き、肩に手を回した。思わず私がビクッとすると、
「何もしないから、ジッとして?」
と彼は言った。
その声が優しくて、私が大人しくしていると、彼のもう片方の手が私の膝の裏に差し込まれ、ふわっと体が浮いた。
私は柏木君に抱っこされていた。いわゆる“お姫様抱っこ”。
「俺の首に掴まって?」
と言われたので、私は素直に彼の首に両手で掴まった。
「俺を無視して一人で帰るから悪いんだぞ?」
耳元でそう言われ、私が嗚咽を漏らすと、柏木君は手に力を込め、ギュッとしてくれた。
柏木君は私に近付くとそう言った。逆光で彼がどんな表情なのかは分からないけど、優しい声に聞こえた。
私がコクッと頷くと、彼は腰を屈めて私の腕を持ち、「立てるか?」と聞いた。
私は立ち上がろうとしたのだけど、腰にも足にも力が入らなかった。
すると柏木君は私の腕を引き、肩に手を回した。思わず私がビクッとすると、
「何もしないから、ジッとして?」
と彼は言った。
その声が優しくて、私が大人しくしていると、彼のもう片方の手が私の膝の裏に差し込まれ、ふわっと体が浮いた。
私は柏木君に抱っこされていた。いわゆる“お姫様抱っこ”。
「俺の首に掴まって?」
と言われたので、私は素直に彼の首に両手で掴まった。
「俺を無視して一人で帰るから悪いんだぞ?」
耳元でそう言われ、私が嗚咽を漏らすと、柏木君は手に力を込め、ギュッとしてくれた。



