恥ずかしかったけど、同時に嬉しい気持ちにもなっていた。


私が柏木君に惹かれている事実は、もはや否定のしようがない。


それはなぜか……


柏木君が悠人君にそっくりだから?

そうかもしれない。きっとそうだ。でも、柏木君は悠人君と違う事を私は認識している。今は全くの別人だと分かっている。


たぶん柏木君は、悠人君とは違い、性格が乱暴で、強引。いわゆる“俺様”。


いつも穏やかに、柔らかい笑みを浮かべていた悠人君とは、まるで正反対の柏木君。


そんな柏木君に、私はどうしようもなく惹かれてしまった。


でも、柏木君は私の事を、どう思ってるんだろう……


彼が私を見る目は、氷のように冷たかった。理恵が言うように、私を気に入ったなんて到底思えない。


だったらなぜ、“付き合ってください”なんて言ったのだろう。